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さくらそうの花の時期に写真を撮影される方は大勢いらっしゃることと思います。しかしいざ現像に出した写真を見てみるとどうも自分が思い描いていたものと違う・・。
私自身も写真を撮影するのですが、大抵ピンボケや色つぶれの雨あられに打ちのめされます。では、少しでも自分の思い通りの写真を撮影するにはどうしたらよいのか、少し考えてみたいと思います。
>>撮影に必要な機材
>>様々な撮影状況への対処
>>ホワイトバランスを調節する
>>絞りを調節する
>>撮影環境を整える
>>写真のブレについて
>>どこで撮影するか
>>実際に撮影してみた写真
撮影に必要な機材 ↑このページのトップへ
・カメラ(初心者の方ほどデジタルカメラをお勧めします。撮影結果をその場で確認できるので失敗写真の現像代を省くことができます。)
・・・最低限カメラさえあれば撮影することができます・・。しかしそれだけではコラムの意味がありませんのでもう少し。
・三脚(室内や曇りの日など、周囲が暗い場合)
まで揃えることができれば最低限の機材でかなり広い撮影環境にまで対応でき、シャープな写真を撮影することができるはずです。
ただ、欲をいえば、トレーシングペーパーやレフ版、撮影台にベストな時間帯、そして運(笑)・・・なども欲しいところですがキリがありませんので、無理なく揃えられる最低限必要な機材・機能の紹介に止めたいと思います。
様々な撮影状況への対処 ↑このページのトップへ
撮影場所や時間帯によって必要な機材や心構えが変わってきます。
たとえば展示会のさくらそうを撮影するのであれば、通常ひな壇に陳列されていますから、遠くの棚の鉢を撮影するためには望遠機能が必要になることがあります→望遠機能つきのカメラが必要
また、周りに人が多ければ三脚を据えてじっくりと撮影することもはばかられます→手持ち撮影でも手ブレしないよう、シャッター速度や感度を上げる必要がある
時間帯によっては西日が当たって被写体が不自然にギラギラしている状況も考えられます→時間帯をずらす・トレーシングペーパーを使用して強い光を和らげる必要がある
・・・このように、自宅以外の場所(不安定な状況下)で撮影をする場合には様々な状況に対応できるだけの準備が必要といえます。
―ポイント―
撮影しに行く時は様々な状況に対処できるような装備にする。
ホワイトバランスを調節する ↑このページのトップへ
デジタルカメラを使用する場合にはホワイトバランスの設定が重要です。
まず、AWB(オートホワイトバランス)で撮影したもの。AWBとは、カメラが自動的にホワイトバランスを設定してくれるモードです。
設定が必要ないのでお手軽ですが、葉の緑が少しくどく感じられます。
ホワイトバランスを意図的にずらし、「電球の光に最適なホワイトバランス」に設定してみました。
我が家の室内灯は蛍光灯なので、電球用のホワイトバランスでは全体的に青みがかり、不自然な感じになってしまいました。
このように、ホワイトバランスが変わると写真の雰囲気がガラリと変わってしまいます(作例はいずれもホワイトバランスのみを変更した写真です)。
できれば毎回カメラに適切なホワイトバランスを設定してもらいたいところですが、残念ながらオートホワイトバランスは万能ではありません。カメラの機種にもよりますが、かなり高級なカメラでも撮影の仕方によってはホワイトバランスがバラバラになってしまったりします。こればかりは技術の進展を待つしかありません。
今回は蛍光灯下での撮影(時間帯によって光(色温度)が変化しない)ですのでホワイトバランスの設定は最初の一回で大丈夫です。
しかし実際にさくらそうを撮影するのは屋外がほとんどかと思います。室内と違い、日の光(色温度)は刻々と変化しますので、全てカメラ任せで自然な感じの写真を撮影することは難しいといわざるを得ません。できればマメにホワイトバランスを設定し直しながら撮影したいものです。
結局一番確実なのは人間が手作業で最適なホワイトバランスを設定することです。
カメラの機種によって設定方法が異なるので設定の仕方については触れませんが、さくらそうの色合いを現物に近づけたいのであれば試してみる価値があります。
写真を見た目に近づけるためにはホワイトバランスが重要。
絞りを調節する ↑このページのトップへ
絞りの設定も写真の出来を左右する重要なポイントです。
まず、一番絞りを開いた状態(絞り開放/F2.8)で撮影したもの。
手前の花にピントを合わせていますが、後ろ側の花はぼやけています。
最大まで絞って(F32)撮影したもの。
手前の花にピントを合わせていますが、後ろ側の花までくっきりと写っています。花全体にピントが合っているような感じです。
このように、ホワイトバランスと同じく、絞りも写真の雰囲気を大きく左右するファクターです。
つまり、手前の花のみを強調して後ろ側の花をぼやけさせたい場合に絞りを開き、写っている花全体にピントを合わせたい場合に絞りを絞ればよいわけです。
ただ、ホワイトバランスの場合と異なり、絞りを変更するとシャッター速度もこれに連動させて変更する必要があります。絞り込むとシャッター速度が遅くなるので場合によっては三脚が必要になる場合があります。
全て人間が設定するマニュアル撮影が最もよいことはいうまでもありませんが、「絞り優先オート」というモードで撮影すれば、「撮影者が設定した絞り値に最適なシャッター速度」をカメラ側が自動的に設定してくれます。
多くの撮影をこなさなければならない場合など、少しでも手間を省きたい場合に利用されてみてはいかがでしょうか。
撮影環境を整える ↑このページのトップへ
主には背景の整理です。せっかくさくらそうを思ったとおりに写せたのに背景に邪魔なものが写りこんでしまっていては台無しです。ですから、出来る限り不要なものが写りこまないように心がける必要があります。今回の作例ではブルーの布をバックにして背景を整理しています。
また、撮影する時間帯によってはさくらそうに直射日光が当たって陰影がうるさくなりすぎてしまう場合があります。もちろん、意図して陰影を強調することもありますが、あまり強調しすぎると色合いが不自然になってしまったり、花の持つやわらかさが半減してしまうこともあります。
このような場合にはトレーシングペーパーを使用して強い光を和らげることでよりやわらかな写真を撮影することができるようになります。
強い光が当たり、陰影が強く出すぎている。
※今回の作例ではストロボを使って強光線を擬似的に作り出しています。
ちょうどよい具合に光が回り込んでいる。
写真のブレについて ↑このページのトップへ
俗に言うブレには2種類あります。すなわち、「被写体ブレ」と「手ブレ」です。
・被写体ブレ
風などで被写体が揺れるために起こる
↓ 対処法の一例
シャッター速度を上げる・風のないときに撮影する
・手ブレ
カメラの固定が不十分であるために起こる
シャッター速度を上げる・三脚を使用する
くらいに認識すればいいと思います。
後で後悔しないためにも、ブレには細心の注意を払う必要があります。
どこで撮影するか ↑このページのトップへ
これが一番難しい問題かもしれません。
さくらそう展示会など、あらかじめ鉢が陳列されている場合には手で触れることができませんので、現地で、加えて柵の外から撮影するほかありません。
私は時間が許せば室内光下で撮影するのがベストではないかと考えます。
ホワイトバランスの設定については既に述べましたが、屋外に出てしまうと、時間帯によって刻々と色温度が変化する太陽光の下で撮影することになりますから、ホワイトバランスを設定し直す作業を繰り返さなければならないのです。
ホワイトバランスももちろんですが、写真の明るさやブレなど、他に気を配りたいところは数多くありますので、できるだけ色温度が安定した環境で撮影することが好ましいのです。この点、室内光の下ならば、カーテンを閉めて太陽光を遮ってしまえば光(色温度)は常に一定ですから、ホワイトバランスの設定は最初の一回でよいことになります。
また、室内ならば風がありませんので、さくらそうの花茎が揺れることがなく、被写体ブレを防ぐこともできます。ただ、室内は暗いので三脚の使用が必須になります。
実際に撮影してみた写真 ↑このページのトップへ
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