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このページでは日本の標準的な気候を基にして解説しています。お住まいの地域やその年その年の気候によっては作業時期にかなり差が出ることがありますのでご注意ください。

 

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さくらそう簡易年間管理表

 

植え替え

 

 

11月〜2月が最適

潅水

乾燥しないように(過湿は厳禁)

施肥

 

薄めの液肥を数回

 

△※

 

置き場所

日当たり

高温を避ける

日当たりが望ましい

※9月下旬から10月上旬に与えた方が良いとする説と与えなくとも良いとする説がある。培養土が保有する肥料分などを考慮して判断することが望ましく、春の成長期における施肥についても場合によっては不要となることがある。

 


 

2月 ↑このページのトップへ

11月と並んで、芽分けに一番向くといわれる季節です。

しかし年によってはかなり冷え込みますから、植え付け後の鉢には防寒対策をした方が良いでしょう。また、2月はさくらそうの芽が動き始める直前の季節です。品種によっては芽が他と比べて早く動き出すものもあるので注意が必要です。

 

芽分けの手順 → 植え付けの手順

 

※培養土の配合について

 

暖かくなり始めたら、植え付け作業が終わった鉢を日当たりの良い場所に移しておくとスムーズに開花を迎えられると思います。

さくらそうは凍っても枯れることはありませんが、霜柱などで芽が地上に露出すると乾燥して非常に弱ります。日々注意を怠らないことが重要です。

 

芽分け・植え付け後の様子

 

品種によりまちまちですが、だいたい2月後半を過ぎたころになると芽が動きはじめます。

画像は5号鉢に5芽を植えたものですが、なかなかに揃っていると思います。なにはともあれ、芽が出てきただけでまずはほっと一息です。

 

―2月のポイント―

芽分けをしましょう。地下ではたくさんの芽ができているのでそのままにしておくと混みあって生育に影響が出ることがあります。

 


 

3月 ↑このページのトップへ

だんだんと暖かくなるにつれ、さくらそうの芽が顔を出し、成長し始めます。葉を軟弱に徒長させないためにも、できるだけ日光に当てるようにします。

 

だんだん葉が成長してきています。画像の株は特に毛が多く、銀色に見えます。

 

一方こちらの葉には毛が見当たりません。花茎も順調に伸びはじめています。

 

―3月のポイント―

植え替え(芽分け)が終わった鉢はできるだけ日当たりの良い場所に置きましょう。あまり暗いところで育てると葉や花茎が伸びすぎてバランスが悪くなります。

 

この時期の施肥について

培養土に肥料分が少ないと思われるときや二番芽、三番芽などを大きく育てたいときには薄めの液体肥料を2〜3回施すと効果があります。ただし、成分のバランスが悪かったり、過肥になりすぎると葉と花のバランスが悪くなるばかりでなく、病気や害虫が発生しやすくなるので注意が必要です。

 


 

4月 ↑このページのトップへ

いよいよ開花の季節です。直射日光や強い風、雨にあてないほうが花が長持ちします。

花の咲き始めたものからさくらそう花壇や家の中に置くなどして強風を避けて観賞すると良いと思います。

家の中に置く場合、日光不足になりやすいので我が家では日替わりでローテーションをしています。

 

5号鉢に3芽を植えたもの。バランスよく育ってきています。

 

最初の花が咲き始めました。

 

きれいに咲きました。

一番奥の花がいまいち開ききっていませんが、とりあえずはマルではないでしょうか。

 


 

5月 ↑このページのトップへ

花の時期も終わりに差し掛かり、だんだんと日差しが強くなります。来年のことも考えて、最後の一輪が開花したあたりで花茎を切り取ると良いでしょう。

切り取った花は花瓶に活けておくと意外と長い間楽しめます。

なお、花茎は根元から切り取るよりも、上の方で切り取った方がさくらそうのためには良いようです。

 

この時期には忘れずに増し土を行います。

 

緑色なのでわかりにくいですが(通常、多くの品種は桃色をしています)、画像中央の丸い部分が新しい根茎になる部分です。この部分が表土上に出てきてしまうと正常に育つことができません。

よって、この部分を用土の中に収めるために増し土を行うわけです。

 

来年も立派な花を咲かせるためには、十分に日光に当てて葉を大きく育てることが大切です。5月は日差しも比較的穏やかなので直射日光に当てても問題ないと思われます。できるだけ長い時間日が当たるところに置くようにします。

また、お礼肥を施して株に勢いをつけさせます。濃いものを一回よりも薄めのものを数回に分けて施した方が効果的です。

 

―5月のポイント―

来年に見事な花を見るためにも増し土は必ず実行しましょう。

 

花を摘んだ後の楽しみ

大抵の基本書には、来年も立派な花を咲かせるためにも、花茎は早めに摘み取った方が良いと書いてあります。さくらそうはこれからずっと付き合っていける花ですから私も来年のために花を摘み取るという意見には賛成です。

摘み取った花はワイングラスにでも活けておけばかなり(大体1〜2週間くらい)長持ちします。押し花にして記録に残しておくのも良いかもしれません。写真とはまた違った味わいがあります。

 


 

6月 ↑このページのトップへ

日に日に日差しが強くなります。

6月後半には真夏に近い日差しとなることもあり、気温もかなり上昇し、品種・置き場所によっては遮光が必要になることがあります。品種によっては徐々に葉が枯れはじめるものも出はじめます。

葉をできるだけ長持ちさせるためにも鉢を半日陰に移したり、簾や寒冷紗で遮光するなどして暑さ対策をします。暑さに弱い品種は特に注意するようにします。

 

葉を大切に育てましょう。ここでいかに肥培するかが来年の作柄に影響します。

※だからといって肥料をやりすぎると弊害が出るので注意が必要です。

 

―6月のポイント―

葉に日光を十分に当てましょう。肥料はその次です。

 

潅水について

この時期の潅水は朝早くか夕方から夜にかけて(必要に応じて1日2回)行います。というのも、潅水をしてからしばらくは鉢底に停滞水と呼ばれる水が溜まっているからです。これが強い日光で熱を持つと蒸れて根腐れや病気の原因になります。さくらそうは乾燥を嫌い、湿り気を好むとよくいわれますが、好むのは「適度な」湿り気であって過湿になると様々な弊害を生じるので注意が必要です。

コツは一鉢一鉢観察しながら潅水することでしょうか。表土が乾き始めた頃に潅水するのが最良です。

 

害虫について

この時期には多くの害虫が発生します。厄介なものが多いですが、特にアブラムシによって媒介されるウィルス病は一度罹患するといかな良薬をもってしても治療をすることは非常に難しいということですから、たかがアブラムシといえども注意しなければなりません。こういった被害を防止するためには薬剤の散布が一番効果的です。

ただ、近くに人家がある場合がほとんどでしょうし、人体にも薬剤の影響がないとはいえませんからできれば散布は避けたいところです。

とはいえ、大切なさくらそうがおかしくなってしまっては元も子もないわけですから、できるだけ発生初期の段階で薬剤を使用します。そうすれば濃度も若干薄めで大丈夫なことが多いですし、回数も少なくてすむので、結果的に使用する薬剤の量は少なくなります。

・・・・バラなどに比べればさくらそうに散布する薬剤の量なんてかわいいもんですよね(と私は感じております)。

 


 

7月 ↑このページのトップへ

日に日に暑さを増し、湿度も高い今月は一年で一番厄介な病気が発生しやすい時期でもあります。日々の観察を怠らず、早期発見と治療に全力を尽くしましょう。

7月後半あたりには大部分の葉が枯れて休眠期に入ります。葉が枯れた鉢を日陰に移せば潅水の手間がかからなくなります。

 

7月前半の様子。

まだまだ葉が残っています。

 

7月後半の様子。

大部分の葉が枯れてしまいました。

 

トレニアを育てる

この時期には大体の葉が枯れて休眠期に入っています。休眠期にも水分は必要としますから、手を抜くわけにはいきません。とはいえ、地上部分が何もない鉢に水をやり続けるというのはなんだかさびしい感じがします(私は・・・)。

そこでお勧めしたいのがトレニアを育てるという方法です。トレニアが茂ればさくらそうの暑さ対策になりますし、花も楽しめます。おまけに一年草(原産国ではどうかわかりませんが・・・)ですから、さくらそうの芽分けシーズンにはすっかり枯れているので邪魔になりません。とはいえ、さくらそうの鉢に他の植物を植えると養分を取られたりして調子を崩さないかという不安がありますが、有名な埼玉県のさくらそう自生地においても、さくらそうは様々な植物と混生していることを考えるとさほど影響はないのではないかと思います。殺虫作用があるといわれるマリーゴールドなども良いかもしれません。

この方法はさくらそう会世話人代表の鳥居恒夫氏が推奨されているものであり、氏の著書中に詳しい記述があります。一年草であれば大抵の植物が利用できそうです。

 


 

8月 ↑このページのトップへ

8月の作業は潅水と雑草の駆除のみです。一部葉が残っている株がある場合がありますが(Q&Aを参照)、特に気にする必要はありません。

 

通常、この時期に葉はありません。

 


 

9月 ↑このページのトップへ

9月の作業も特にはありません。潅水と雑草の駆除を行います。

 

除草について

この時期に限らず、さくらそうの鉢にはさまざまな種類の雑草が生えます。小さいうちに抜き取れば問題ないのですが、うっかり見逃してしまうとあっという間に大きくなってしまいます。

そうなってしまった場合には無理に引き抜こうとしてさくらそうの根茎を傷つけることのないよう、雑草を根元からハサミで刈り取ります。

 


 

10月 ↑このページのトップへ

暑さもだいぶ和らぐ季節です。休眠していたさくらそうの地下茎が再び育ち始める季節でもあります。

この時期に来年の花芽が出来上がるといわれます。培養土に肥料分が不足する場合、薄めの液体肥料を施せば芽の形成を手助けできるので効果的です。

 


 

11月 ↑このページのトップへ

2月にも述べたように、芽分けに一番向くといわれる季節です。11月は2月に比べて暖かく、作業がしやすいです。

特に早咲きの品種はこの時期に芽分けをした方がよいかもしれません。

 

芽分け植え付けの手順も参考にしてください。

 

―11月のポイント―

芽分けをしましょう。芽分けをして植え替えることによって培養土を新しいものに更新することができ、閉塞された鉢の環境を改善できます。特に根腐れやセンチュウ類など、根の様子を観察しなければ状態が把握しにくい病害の発見にも役立ちます。

また、秋に植え替えをした場合は鉢土がやわらかく、安定しないので置き場所や気温によっては防寒をした方が安全な場合もあります。

 

いつ植え替えすべきか

12月頃に植え替えをした場合、鉢の中の用土が軟らかく、安定しないまま冬を迎えることになります。

また、特に寒い夜には霜柱ができることがあります。さくらそうは寒さに強いので多少の凍結は問題ありませんが、霜柱によって植えつけた芽が地上に露出することがあります。このような場合には手間がかかりますが再び植えなおしたり、新たに土をかぶせたりする必要があります。さもないと乾燥して枯死してしまいます。

2月頃に植え替えをした場合には12月に植え替えたものに比べると防寒対策にかける手間が少なくてすみます。ただ、品種や地域によってはすでに芽が活動し始めている場合がありますので作業をする際に折ったり傷をつけたりしないよう注意が必要です。また、鉢土が凍っていて土をほぐしにくいこともあります。

以上を総括すると、10月下旬から11月上旬にかけてと、2月中旬から2月下旬にかけての期間が最も適していると考えられます。早めに植え付けを済ませておけばある程度土が落ち着いた状態で厳寒期を迎えることができます。遅めに植えた場合は既に厳寒期を脱しているのでこれまた防寒対策の手間が幾分省けます。

このように、どちらをとっても一長一短がありますので、結局は人それぞれということになります。

 


 

12月 ↑このページのトップへ

作業は特にありません。雑草も生えなくなりますし、潅水の手間もかからなくなりますから、一年のうちで最も手間いらずな時期でもあります。

芽分けは今月も行えます。

 

さくらそうは寒さには強いのですが、秋植えの鉢には慎重に防寒対策をした方がいいと思います。

私は根巻き用の麻布の上に古くなった簾をかぶせています。素材としても結構しっかりしているので扱いやすく、オススメです。

 


 

1月 ↑このページのトップへ

すべきことは特にありません。また、今月に芽分けを行うこともできます。

 

霜柱で培養土が持ち上げられています。

根茎が地表に露出していないのであればあわてる必要はありません。さくらそうは寒さに強いので凍結で枯死することはまずありませんが、どちらかといえば防寒した方が良いことはいうまでもありません。

 

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